
中村 友宣
Tomonori Nakamura
2024年 トヨクモ株式会社に中途入社し、現在はパートナーアライアンス部の部長を務める。これまでのキャリアは一貫してIT業界での営業を経験し、その営業スタイルも様々。プレイヤーとしてもマネージャーとしても豊富な経験を持つ。
目次
SIerやハードウェアベンダーなどIT業界で多くの経験を積んだ後、トヨクモに転職した中村さん。現在はパートナーアライアンス部長を務めています。前職に不満はなくやりがいを持って働けていたため「転職には積極的ではなかった」とのこと。
IT業界歴の長い中村さんがトヨクモに転職した理由は、会社としてのユニークさにあったといいます。このインタビューでは、中村さんがトヨクモに入社するまでの経緯から現在取り組んでいる業務内容、そしてトヨクモという会社について率直にどう感じているか、詳しくお話を伺いました。
「前職に不満はなかった」 テレビCMがきっかけで転職
ートヨクモに入社するまで、どのようなお仕事をされていたのでしょうか?
大学卒業後、SIerに入社し、中央官庁系のシステムインフラに関わる業務に約10年携わった後、外資系ハードウェアベンダーへ転職しました。そこでパートナービジネスという領域に本格的に関わるようになります。パートナー企業と協業しながら販売戦略を練る手法を学び、さまざまなビジネスモデルを共創していました。その後複数社でSaaSを含む様々な商材のパートナーセールスを経験したのちに、トヨクモに転職しました。
ー中村さんは前職に不満はなかったとお聞きしましたが、なぜ転職すること決めたのでしょうか?
昨今、パートナーセールスに力を入れるSaaSベンダーが増えており、複数の企業からスカウトされていました。前職では不満なく働けていたので、正直転職にはあまり前向きではありませんでしたが、「前職のサービスに活かせる情報が得られないか」「その会社と協業の可能性も見出せるのではないか」といった観点で話を聞いてみようと思ったんです。
トヨクモもそのうちの1社。「CMで聞いたことある会社だな」くらいの認識で、正直なところ最初は転職する気なんてまったくなかったですね。
第二次成長期に突入するトヨクモは事業の成長を肌で感じられる環境だと感じた
ー転職する気がなかったにも関わらず、最終的にトヨクモへの入社を決断されたのはなぜでしょうか?その経緯を教えてください。
先も言ったように、トヨクモのことはテレビCMで知ったくらいで『安否確認サービス2』を提供する会社だとしか認識していませんでした。
しかし、実際に面談で話を聞き、『kintone連携サービス』や『トヨクモ スケジューラー』など、質の良い多様なプロダクトを展開している会社なのだと知りました。
特に可能性を感じたのはkintone連携サービス。kintone自体、業務アプリをノーコードあるいはローコードで構築できるプラットフォームとして注目度が高く、今後さらなる市場拡大が見込まれます。
そうしたkintoneの拡大に伴い、機能を拡張するkintone連携サービスも必ず成長すると確信。それも爆発的に成長する余地があると、その可能性に魅力を感じました。

しかし、何度も言うようですが転職は考えていなかったですし、転職するとしてもSaaS業界にはトヨクモのほかにも魅力的な企業はたくさんあります。
そのため、約3ヶ月ほどじっくりと検討していたんです。
転換点となったのは、最終面接でトヨクモの代表取締役社長である山本と話したとき。トヨクモが今パートナーセールスに力を入れている理由や会社として目指す方向性がはっきり見えたんですね。入社の決め手になったのは、そこへの共感でした。
—どのような点に共感されたのでしょうか?
まず社長の山本が考える「パートナーセールスの必要性」への共感ですね。
これまでトヨクモはサービス自体がもつ商品力の高さで成長をしてきました。そんなトヨクモがなぜセールスを求めるのか疑問だったので、山本との面接で「なぜこのタイミングでパートナーセールスに力をいれるのか?」という質問をしました。
というのも、山本自身はパートナーセールスには消極的な思考をもっているように感じたから。おそらく山本個人ではこれまで通り商品力の高さを売りにした経営方針で行きたかったのだと思います。しかし、成長したトヨクモをより大きくするための経営判断として、パートナーセールスの強化は必要だと決意したようです。
その考えに私自身とても共感したのを覚えています。私はこれまでIT業界でキャリアを歩んできました。SaaSベンダーで働いた経験もあり、技術力が高くても潰れてしまうSaaSベンダーを数多く目にしてきました。その理由はセールス力の弱さ。いくらサービスや技術が優れていても、ずっと売れていくというわけでもないのが実情です。
トヨクモのサービスがもつ可能性に加えて、山本の先を見通す力に感嘆し、「私も一緒にトヨクモをより大きくしたい」と思い入社を決意しました。
提案型パートナービジネスへの転換。 あらゆる企業とともにサービスを拡大する
ー現在所属されているパートナーアライアンス部はどのような部署なのでしょうか?
パートナーアライアンス部は、パートナー企業とともにトヨクモの製品やサービスをどのように展開していくのかを考え、推進していく部署です。
具体的には、パートナー企業に対してトヨクモ製品を展開していくための販売プランの構築や伴走支援を実施しています。また、新たにパートナーになっていただける企業の発掘も担っています。端的に言ってしまえば、トヨクモの製品やサービスをより多くのユーザーへ広めることが私たちの役割です。
ー中村さんはどのような役割を担当しているのでしょうか?
私のメインミッションはパートナー企業との協力体制を整えること。販売促進のアイデアを積極的に議論できる仕組みを構築することです。
私が入社する前は、パートナー企業との協力といえば、製品に対するお問い合わせに対して応えるだけ。それでも、トヨクモの商品力の高さから、ビジネスとしては回っていました。ただ、それではパートナー企業が「どのように自社製品を販売しているのか、どのような点を強みとして押し出しているのか」という販売方法の理解が深まらず、販売促進のためのアイデアを考えるのには限界があります。その状態では、パートナーセールス経由で顧客を爆発的に増やすのは難しいでしょう。
そこで、私が進めたのが、パートナー企業との関わり方を提案型へシフトすること。パートナー企業ごとにトヨクモ製品の販売方針を検討・議論することで、パートナー企業がより大きなメリットを得られるようにしつつ、トヨクモ製品の販売数・売上の増加につながるような提案を行うようにしているのです。
たとえば、印刷業務の効率化を強みとする企業には「複合機との連携」「帳票の自動生成」などのソリューションを一緒に考えますし、会計業務に強いパートナーであれば「経理や財務データをkintone連携で可視化し、さらに弊社の製品をプラスすることで業務フローを最適化できるのでは?」といった形で共同提案を行うイメージです。
つまり、各パートナー企業がもともと持っている専門領域をベースに、トヨクモ製品を掛け合わせることで新しい価値を生み出す。「共創」のスタイルを目指しています。

安定と挑戦が両立する環境。 失敗は素早く学習に転換
ートヨクモの社風はどのようなものでしょうか?転職して感じた印象を教えてください。
トヨクモの社風として、特徴的なのは2つ。ひとつは、チャレンジのしやすさ。
この社風が醸成されている背景には、トヨクモの多様なサービス展開があります。
『安否確認サービス2』『kintone連携サービス』『トヨクモ スケジューラー』など複数のプロダクトがあり、それぞれが市場で評価されているため、一つの領域に依存しすぎない安定感があるのです。私自身、当初トヨクモには『安否確認サービス2』の印象しかなかったのですが、『kintone連携サービス』や『トヨクモ スケジューラー』の有用性を知り、とても驚きました。
この安定感というのは、新しい施策を考えるうえでも心強いですね。一つのプロダクトだけに集中していると、市場の変化や競争の激化といった外的要因により業績が不安定になりやすい。一方、トヨクモは複数のサービスを持ち、それぞれがある程度の顧客基盤を築いているからこそ、会社の経営基盤は揺らぎにくい。新たなチャレンジにも積極的に取り組めるので、働く側としてはやりがいと安心感があります。
—チャレンジしやすい安定した基盤があるのですね。もう一つは何でしょうか?
チャレンジのしやすさと関連しますが、意思決定の早さです。
たとえば、若手メンバーが上長に「こうした取り組みをやってみたいんですが…」と話をしたところ、すぐに「面白いね。詳細を詰めて進めてみて」と言われ、数日後には具体的な施策として形にしていたことがありました。一般的な企業では企画を通すのに承認や稟議などが入るため、何週間、場合によっては何カ月もかかることもありますが、トヨクモは驚くほどスピーディですね。
これだけスピードがあると、業務全体がトライ&エラーを繰り返しながら進められるので、仮に失敗した場合も速やかにリカバリーできるのです。
ー失敗できる環境が強みと感じられているのですね。チャレンジが上手くいかないこともあると思いますが、トヨクモでは失敗をどのように捉えているのでしょうか?
トヨクモでは「失敗=責められるもの」ではなく、次の成長機会と考えられています。実際に、何か問題やトラブルが起きたとしても、犯人探しをするのではなく、「どこを直せば次につながるか」をすぐに議論するのです。
もちろん責任感は重要視されていて、失敗が起きた原因をきちんと分析したうえで、再発防止策を考える流れになっています。そこを曖昧にしてしまうと同じ失敗を繰り返してしまいますからね。ただ、個人を追及しすぎるわけではなく、チーム全体で「次にどう動くべきか」と自然に切り替わる風土がある。
だからこそ、新しい挑戦をする意欲をそがれることなく、改善へのステップに移ることができます。

世代差を超えて。 若手中心の組織で得た相乗効果
ー若手メンバーが多いトヨクモへの入社に不安はありませんでしたか?
最初はやはり少し緊張しましたね(笑)
社内を見渡すと30代前半が最年長クラスで、年齢差があることは確かです。
ところが、入社前から現場メンバーとの面談や食事会を開いてくれて、雰囲気を事前に感じることができました。そこで「自分の経験がこう役に立つかもしれない」と具体的に思い描けたので、不安よりも「むしろ面白そうだな」という気持ちが強まりました。事前にメンバーの人柄や考え方がわかったおかげで、安心して入社を決意できたのは大きかったですね。
ー実際に面談や食事会で一緒に働くメンバーを知れるのは安心できますね。
そうですね。これまでのキャリアでも若手メンバーと一緒に働く機会はありました。ですが、やはり不安はありました。
ただ、面談や食事会をとおしてメンバーの考え方や仕事ぶりを見たところ、「スピード感があって、柔軟性が高い」という印象をもったんです。
そして、彼らも私のようなベテランから得られる知識や経験に期待してくれている雰囲気を感じたので、世代差が障壁になるよりむしろ相乗効果を生む予感のほうが強かったですね。
今までの経験を存分に活かせる環境だった。 トヨクモで描くキャリアビジョン
ー中村さんの今後の展望をお聞かせください。
トヨクモは『安否確認サービス2』や『kintone連携サービス』など、すでに市場で評価されている複数のプロダクトを保有しているため、特定の領域に偏らず成長を続けられる土台があると思います。一方、SaaS市場は変化が激しく、新しいニーズや競合が絶えず出てきます。私はパートナーアライアンス部として、パートナー企業がトヨクモ製品を積極的に販売したいと思っていただけるような状態を作りたいと考えています。
また、トヨクモは現在100名近い規模の組織です。会社の成長に伴い私が考える「やりたいこと」も次のステップに進んでいくと考えています。なので、やりたいことはたくさん抱えているものの、常に「道半ば」の状態が続くのだろうと思います。これはポジティブな意味で捉えています。なぜならやりたいことが常に生まれてくる状態だからです。
