デザインと向き合い、まだ形のない「トヨクモらしさ」を表現する ー 大学院・専門学校での学びを活かして、新たな挑戦へ

デザインと向き合い、まだ形のない「トヨクモらしさ」を表現する ー 大学院・専門学校での学びを活かして、新たな挑戦へ

中村 茅乃
開発本部

中村 茅乃

Kayano Nakamura(@noru_design)

2023年に東京藝術大学 大学院を卒業後、トヨクモに新卒入社。現在はWebサイトの情報設計やデザイン制作をメインに、ロゴやグラフィック、グッズデザインなども担当している。


大学、大学院、専門学校と様々な場所でデザインを学び続け、新卒としてトヨクモに入社した中村さん。
デザインへの強い情熱と、試行錯誤の日々。型にはまらない経歴をもつ中村さんにデザインへの思いとトヨクモを選んだ理由をお伺いしました。

大学・大学院・専門学校。デザインを学び続けてきた理由

—中村さんは、東京藝術大学、東京藝術大学院にくわえ、大学院在学中には一度休学してデザイン系の専門学校にも通われていたそうですね。美術・デザインを学び続けてきたと思うのですが、いつから興味を持っていたのですか?

興味をもったきっかけは覚えていませんが、気がついたらずっと絵を描いていました。物心ついた頃には、暇さえあればペンや鉛筆を使って無心で描いていましたね。親はそんな私を見守ってくれて自由にさせてくれていたから、のびのび続けてこれたのかもしれません。

小学校に入ると、休み時間に友達と絵を描いて遊ぶようになりました。作ったものを友達や先生に見せると、いろんな反応をもらえることに気づき、それからは描くだけでなく、作ったものを通して周囲とコミュニケーションをとることを楽しむようになりました。

大学の進路を選ぶ際は、油絵科と迷いましたが「一人で絵を描き続けるよりも、自分は社会や人と関わりながら何かを作りたい。それが実現できるのはデザイン分野ではないか」と考え、デザイン科に進学しました。


—そのような原体験があったのですね。大学院に進学した理由についても教えてください。

就職したいという気持ちが漠然とありましたが、なんの仕事をしたいかが分からないまま就活の時期を迎えました。そんな中で、力強いビジュアルと言葉で、社会に対して革新的なコンセプトを打ち出すようなCMを見て、広告の仕事に惹かれました。そこで、まずは新卒で広告代理店に就職することを目標にしつつ、そのための表現力を高めたいと思い、大学院に進学しました。


—大学院の2年時には休学し専門学校に入学されていますが、その理由は何だったのでしょうか?経緯を教えてください。

大学院1年生から2年生にかけて、広告代理店を中心に就職活動を行いましたが、実力も不足しており苦しい日々でした。そうして迎えた1度目の就活は大手を数社受けたのみで、全て不採用。途方に暮れました。

ショックだったのは、ある企業のインターン講師から「あなたのデザインには操縦士がいないね」と言われたこと。自分のデザインに自信がなく、軸がブレており、人からのフィードバックに左右されていることを指摘されたんです。その時、自分のデザインのレベルやマインドが仕事で通用するものに達していないことを痛感しました。
このままではいけないと思い、心機一転デザインをゼロから学ぶつもりで専門学校に進学することを決意。IllustratorやPhotoshop、デッサンや色彩など、幅広く学んで一年間で未経験からプロを目指すコースで学びました。


—専門学校での学びはいかがでしたか?

最低限、ビジネスで通用するレベルに成長できたと思います。大学で抽象的な課題を通してじっくりと学んだコンセプト設計やデザイン思考を、実務で必要とされる具体的な形に落とし込むスキルを身につけられました。
課題やアルバイトなど多忙な日々でしたが、自分のデザインに軸を持ち、自分のデザインの「操縦者」となるための貴重な時間だったと考えています。

トヨクモの「デザイン」に対する考え方に共感した

—まず、トヨクモの選考に応募しようと思った理由を教えてください。

利用していた就活サイト経由で、トヨクモからスカウトメールが届いたことがきっかけです。トヨクモという社名はもともと知っていましたが、デザイナー募集があることは、そのときはじめて知りました

当時の就活では、自分の知っている企業から選ぶよりも、スカウトをくれた企業に積極的にエントリーすることにしていました。サイトに掲載している自分のポートフォリオを見て興味を持ってくれた企業の方が、きっとマッチしやすいはずだ、と考えたからです。

幸運にも数社からスカウトをいただきましたが、そのなかでもトヨクモのものは一際目立っていて、私の作品の中身まできちんと真剣に見てくれたことが伝わる内容でした。定型文のスカウトメールが多いなかで、本当に私に興味をもって送ってくれたんだと感じたんですよね。印象に残っているのは、私のある作品に対してその着眼点やテーマの一貫性を「素晴らしい」と言ってもらえたこと。その作品は自分にとってすごく思い出深く大好きな作品だったのですが、ほかの企業の方からは良い評価を得られことがありませんでした。

そんななか、トヨクモの方は初めてその作品の良さを理解してくれました。私の価値観や強みを理解した上でスカウトしてくれたんだと嬉しかったんですよね。それで、話を聞いてみたいと選考に応募しました。


—最終的にトヨクモを選んだ決め手は何でしたか?

最後の就活ではもう広告系などの特定の業種にはこだわらず、自分のやりたいことを軸として企業を探すようになっていました。それは、「コンセプト設計から実際のデザイン制作まで、一貫して関わること」そして「ブームで終わる施策よりも社会を少しでも前進させる事業に携わること」です。

トヨクモに入社を決めたのは、自分のやりたいデザインとトヨクモが理想とするデザインが一致していると感じたから。トヨクモの先輩デザイナーや開発本部長と話すなかで「デザインは、表層的な表現だけじゃなくて、根本の設計こそ大事だよね」などデザインの考え方の部分で通じ合えることが多かったんです。デザインへの熱い想いを感じ、自分と近い感覚をもった人たちがこの会社にはいるんだと思いました。


—当初、IT業界への就職は考えていなかったと思うのですが、抵抗感はありませんでしたか?

正直、最初はありました。

というのも、過去の私はITサービスやWebサイトはすべて自動で動いていて、きっと社員もクールな人たちばかりなんだろうと思っていたんです(笑)。そのため、ITは縁遠い世界だと思っていましたし、「私にやっていけるのかな?」という不安はありました。

ただ、トヨクモの選考を通して、働く人々やその熱い思いに触れて、自分でも活躍できる場面があるかもしれないと気持ちが変化したんです。IT業界もWeb分野も未経験でしたが、「この会社とは、デザインの考えが合いそうだから大丈夫」と信じて飛び込みました。

「何をやるか」から自分で考え、仕事を進める

—トヨクモでは、どのような業務を行っていますか?

Webサイトの情報設計やデザイン制作をメインに、一部マーケティング施策で使用するロゴやグラフィック、グッズデザインなどを担当することもあります。

入社してはじめて任された仕事は、Toyokumo kintoneAppのデザイン改修でした。主力製品のトップページを全面的にリニューアルするという大きな仕事で、「どういうサイトにしたいか」という設計から「どういうデザインが必要か」という組み立てまで、私が責任を持って進めていきました。

当時は文章ベースの説明で、製品導入の先にある業務改善の楽しさが表現されておらず難しそうに見えていました。そこで、私が挑戦したのは、Toyokumo kintoneApp全体を山に見立てたインフォグラフィックスの配置です。

▲制作したインフォグラフィックス(Toyokumo kintoneAppサービスサイト掲載)


Toyokumo kintoneAppは、各製品の導入順序などは厳密に決まっておらず、ユーザーは好きなものから自由に業務改善を始めることができるというものです。

その特徴・価値が伝わるよう、インフォグラフィックスでは「業務改善」という山頂に向けて、どこから登り始めてもよく、どんな登り方をしてもいいというストーリーを形にすることを目指しました。山や人物素材、アイコンのデザインは、自分で考案し、手書きで制作しています。

▲デザイン制作のためのアイデアラフ


Webデザイン未経験で新卒の私にとって、一人で1ページを作り上げるのは本当に難しかったのですが、あとで上司から「最初からあえて難しいことに挑戦してほしかった」と言われて、ありがたいなと思いましたね。

トヨクモでは、内定者インターン・新卒の頃から上司や先輩のお手伝いのように扱われることがなく、いい意味で手加減されません。メンバー一人ひとりが担当をもち、その領域に関しては一貫して手掛けていきます。そのため、入社してすぐデザイナーとして大きな裁量をもちながら経験を積むことができます。

最初は何度も躓きましたが、仕事と責任を最後まで任せてもらえるおかげで、自分が成長できていることも実感しています。新卒2年目でまだまだ未熟ですが、自分が躓くパターンと解決策がわかってきて少しずつ仕事がやりやすくなってきたと思うんです。

これは、最初から現場の第一線で実務経験を積ませてくれたからだと感じています。


—中村さんはトヨクモの社風について、どう感じていますか?

これは会社全体で感じることですが、自由度が高く、裁量権の大きな社風です。「何をやるか」から自分で考えて仕事を進めることができる一方で、困った時にはいつでもチームや上司に相談できます。

人間関係もフラットで、議論や制作の際に立場の差を感じることはほとんどないです。組織規模も大きすぎず、適材適所の人事が行われているというイメージ。デザイナーでいえば各メンバーがもっている強みもそれぞれ違うので、学びや刺激を受けられる環境です。


ーありがとうございます。最後に、中村さんが掲げる今後の目標を教えてください。

「業務改善できる楽しさ」や「便利さ」といった、ITサービスがユーザーに与えてくれる価値って、目に見えないですよね。だから、誰かがデザインとして形にしないと良さが分からないものだと思うんです。
トヨクモが扱うサービスのなかにも、まだ良さを表現できていないフワフワとしたものがたくさんあるので、それをもっともっと形にしていきたいです。部署の垣根を超えて、いろんな人と関わり、トヨクモらしさ、トヨクモの良さをこれからも見つけて形にしていきたいなと思います。

あと、これは個人的な夢ですが、いつか絵本を出すなどアーティストとしても活動してみたいです。

トヨクモは経営者との距離が近く、ビジネスに関わる会話が毎日聞こえてきます。そういう話を聞けることは、個人での活動を考えている自分にとって学びの連続です。自分のアイデアや制作物で社会からお金をもらうことってこんなに難しいんだ、こんなことも考えないといけないんだと、何かを成し遂げることの厳しさを肌で感じられるのは、本当にいい環境だと感じます。

今後も、トヨクモでスキルとマインドを磨きながら、自分が表現したいこと、やりたいこと、夢をひとつひとつ実現させていきたいなと思います。

▲kintone関連のイベントで使用されるハッピのデザインを提供しました。

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