「手触りのあるグロース」を、M&Aで。|SaaS業界11年のキャリアを経て、トヨクモを選んだ理由
2026/10/28

新村
Shinmura
2026年トヨクモ中途入社。2015年にフリー株式会社へインターン入社し、2016年に新卒一期生として新卒入社。セールス、マーケティング、事業責任者、子会社でのPMI、コーポレートディベロップメント(M&A)を経験。現在はトヨクモでM&Aを担当。
目次
トヨクモは2025年に社内のマニュアル管理ツール「NotePM」を提供するプロジェクト・モードをグループに迎え、M&Aを成長の柱のひとつに据えています。しかし、つい最近までM&Aを専任で担う人はおらず、社長が本業と並行して一人で進めている状態でした。
そこに採用サイトから直接応募してきたのが、2026年6月に入社した新村さんです。当時、M&A担当の採用募集は出していませんでした。
前職でシリーズBからIPO、黒字化までを経験した新村さんは、なぜ次の場所にトヨクモを選んだのか。入社の決め手と、社長直下でM&Aを進める今の仕事について聞きました。
50名から2,300名へ。freeeで経験したグロースの、ほぼすべての場面
―まず初めに、これまでのキャリアを教えてください。
大学生だった2015年にフリー株式会社にインターンとして入って、2016年に新卒一期生として入社しました。通算で11年ほど、ずっとfreeeにいました。
私が入ったときはシリーズBの段階で、従業員は50名くらいでした。そこからさらに何度かの大きな資金調達を実施したのちに、IPOを経て黒字化まで進み、会社は大きく成長しました。日本のスタートアップで、ここまでのスケールを実現した会社はほんの一握りじゃないでしょうか。
その成長の只中に、ファーストキャリア、20代のほぼすべてを置かせてもらえたことには、今でも感謝しかありません。セールス、マーケティング、事業責任者、子会社に出向してのPMI、最後はコーポレートディベロップメントとしてM&Aと、会社のフェーズに合わせてさまざまな役割を担当してきました。
―かなり幅広い経験ですね。
会社が大きくなるにつれて、そのときに一番手が足りていないところに移っていった、という感覚に近いです。売る、認知を広める、事業を伸ばす、グループジョインした会社をまとめる、そして次に一緒になりたい会社を探す。SaaSの会社が成長していく過程の、ほとんどの場面に立ち会えたと思います。
その中でも子会社でのPMIと、その後のM&Aの経験は大きかったですね。
事業を一から伸ばすのとは違って、すでにお客様も社員もいる会社を引き継いで、グループとしてどう伸ばすかを考える。事業責任者をやってきた経験を活かしつつ、さらに広い視野でビジネスを捉えられるようになりました。
「手触りのあるグロース」に挑戦したくなった
―そこから転職を考えたきっかけは何だったのでしょうか。
大きく二つあります。一つは、自分は小さな会社のほうが楽しいと気づいたことです。
前職のビジョンにはずっと共感していましたし、今でもそう思っています。ただ、様々な経験を経て、自分がいちばん楽しいと感じていたのは、施策を打ち、結果から手応えを得て、次の手を考える。それを小さな組織で、責任と一体感を持って回していくことだったんですよね。
組織が数千人規模になると、一人の判断が会社全体の数字に表れるまでの距離はどうしても遠くなります。手触り感を得られるサイズからのグロースのほうが性に合っていると、はっきり分かりました。
―もう一つは何でしょう。
M&Aを仕事にしたかったことです。
自分のキャリアを考えるうえで、その業界でいま最も熱い領域に身を置いて責任を背負うことが大事だと思っています。SaaS業界でいえば、少し前までは「スタートアップ」や「IPO」、あるいは「新規事業」がその中心でした。今は多くの企業が成長の次の打ち手を探していて、その答えの一つがM&Aです。この先、業界で一番面白いのはM&Aだと考えていました。
こういった考えから「小さな会社で、M&Aをやる」、これが私の転職の条件でした。

数字を見て「合理的な会社だ」と思った
―その中で、なぜトヨクモだったのでしょうか。
最初に惹かれたのはヘルシーな事業KPIです。解約率がとても低く、ストックがしっかり積み上がる良質な売上になっている。それでいて売上成長率も高い。さらに営業利益率は30%を超えています。成長と利益を両立させる「クオリティグロース」を、ここまで体現しているSaaSは上場企業を含めても多くありません。
先行投資で赤字を出しながら急成長し、黒字化までやり切る、スタートアップらしいグロースを幸いにもフルパッケージで経験をしていたので、次は違うゲームにトライしたいと考えていたときに、トヨクモへの関心が高まりました。
―組織についてはどう見ていましたか。
こちらも、外から見ていて「合理的だ」と感じる点がいくつもありました。
まず、従業員数が少ないことと、安易に人を増やさないという意思がはっきりしていること。PLGモデルを追求しているため売上規模に対して人数がとても少ないです。役員の数も少なく、組織の規模に対して余分な役職者がいない。意思決定が速いだろうなと思いました。
それから、平均給与が高く、しかもそれをさらに上げていくことが大事だと経営が明言していること。福利厚生も、目を引くユニークな制度を並べるのではなく、持株会の奨励金が50%という、社員が会社の成長をそのまま受け取れる形になっています。余分なものを足すより、理にかなったものに絞る。そういった組織の在り方、経営スタイルに共感しました。
募集していなかった「M&A担当」に、自分から手を挙げた
―当時、トヨクモではM&A担当を募集していなかったそうですね。
はい、募集もないのに採用サイトから直接応募しました(笑)
私にとっては、募集がなかったこと自体が、むしろ魅力でした。M&Aの担当者も担当組織もなく、社長が本業の経営やそのほかの業務と兼業しながら進めている状態だったんです。つまり、自分が入ればゼロから仕組みをつくれる…これは絶好のチャンスなのではと思いました。
―担当がいないとなると、本当にM&Aをやる会社なのかという不安はありませんでしたか。
すでに実績があったので、その部分に不安はなかったですね。
NotePMを提供するプロジェクト・モードがグループジョインしていたので、IRで方針として掲げるだけでなく、実際に動いている会社だと判断できました。
投資余力も十分にありました。手元のキャッシュが厚く、財務も健全なので、必要であれば借入もできる。M&A担当として入っても、お金がなくて案件が前に進まない、ということはまず起きないと考えました。
もう一つは、今のトヨクモにとってM&Aが本当に必要なテーマだと思えたことです。
既存事業は今も伸びていますが、規模が大きくなるにつれて成長率は少しずつ落ち着いてきます。次の成長をどうつくるか。それが現フェーズのメインイシューで、その中心にM&Aがあると見ていました。会社にとって一番大事な課題に、ど真ん中から関われる。これ以上の条件はありませんでした。

入社後も「ギャップはない」
―実際に入社してみて、いかがですか。
入社前に魅力だと感じていた点と、まったくギャップがありません。
事業の強さも、組織の考え方も、外から見ていたとおりでした。トヨクモは採用サイトやIRなどを通じてたくさんの情報を発信していて、そのほとんどに目を通して調べたため、入社してからも印象が変わることはありませんでした。
―今はどのように仕事を進めているのでしょうか。
現在は、社長と二人三脚でM&Aを進めています。ソーシングの仕組みづくりに着手し、案件の探索から、相手企業との対話、条件の検討、買収後の統合まで、M&Aに関わる権限を広く任せてもらっています。
社長とは毎週のように議論しますが、論点を持っていけばその場で判断が返ってきます。大きな組織では、検討資料をつくって、いくつもの関係者、いくつもの会議体を通して、ようやく意思決定に届くことも珍しくありません。
トヨクモでは自分が考えたこと、手を動かしたことが、そのまま会社の判断に繋がっていく。その距離の近さが、まさに求めていた「手触り」です。
―前職での経験はどのように生きていますか。
一番生きているのは、買った後のことを具体的に想像できる点だと思います。
M&Aは契約を結んだら終わりではなく、そこからがスタートです。買収先の社員の方がどんな不安を持つのか、どこから統合を進めるとうまくいくのか…PMIを現場で経験してきたからこそ、ソーシングの段階から「この会社とならグループとして一緒に伸びていける」というイメージを持って話ができます。
事業責任者として数字を追ってきた経験も大きいと感じています。財務の数字だけでなく、相手の事業を自分が預かったら何をするかを考えられるので、買収先の経営者の方とも事業の話を深くできると感じています。
あとは…最後までやり切れるという感覚ですね。
先に話した2つはスキル面ですが、こういったマインド面も非常に重要だと考えています。前職でも何度も難しい局面を乗り越えてきたからこそ、思い通りに進まない場面でも前向きに取り組めると思っています。

小さく強い会社だからできるM&Aを
―最後に、これから挑戦したいことを教えてください。
トヨクモのM&Aを、一度きりのイベントではなく、繰り返し成果を出せる仕組みにしたいと思っています。良い会社を見つけ、良い条件で迎え、グループに入ってからも伸ばしていく。その一連の流れを、少人数で回せる形にしていきたいです。
トヨクモが一緒になりたいのは、お客様に長く使われ続けているサービスを持つ会社です。派手さはなくても、解約が少なく、毎月の売上が着実に積み上がっている。トヨクモの安否確認サービスのように、お客様が自分で試して、納得して使い続けてくれるサービスであれば、トヨクモのアセットを活かして、もう一段大きく伸ばせると考えています。
NotePMのように、グループに加わったあとも、サービスとチームの良さはそのままに一緒に成長していく。そういう関係を一社ずつ増やしていきたいと思っています。
トヨクモは小さな会社ですが、高い収益力と財務の強さがあり、意思決定も速い。この規模だからこそ、一つひとつの案件が会社の成長にはっきり表れます。M&Aの面白さを、いちばん自分の手応えが届くサイズで味わえる場所だと思っています。
同じように、大きな組織よりも自分の手で会社を伸ばす感覚を大事にしたい方がいたら、ぜひ一度話してみたいですね。
