自走を仕組みで支える、テックリードの開発組織作り

自走を仕組みで支える、テックリードの開発組織作り

北川
開発本部

北川

Kitagawa

■語り手プロフィール■ 【略歴】SIerを経て、自社サービスの開発に携わりたいと2018年トヨクモに入社。テックリード6年目。開発組織の標準づくりを担い、AI活用の仕組み化や社内ライブラリの整備、技術的負債の解消などをチーム横断で進めている。

トヨクモ技術広報チームです。


前回に引き続き、現場のリアルな熱量をお伝えする「PLGに生きるエンジニアたち」第3回です。

今回は北川さんのインタビューを通して、「トヨクモのテックリードのリアル」をお届けします。


1.「開発組織の標準」を作る ~主体的な動きの技術的フォロー~

―まずは前職と、テックリードとしての主な業務を教えてください。

 元はSIerにいましたが、ビジネス構造からくる「作って納品して終わり」という環境から脱却したくて、自社サービスを目指して転職しました。トヨクモは3社目で、現在8年目、テックリードとしては6年目です。

 テックリードの仕事は主に、社内で技術的に常に一番先に行く人 として「開発組織の標準」を作ることです。

―「開発組織の標準」を作るとは、どんな仕事ですか?

 たとえばAIでいうと、チーム全体で展開するClaudeのプラグインを作っています。AIが導入されても、「人間が意思決定し、互いにコミュニケーションし、レビューし、よいものを作り、お客様に届ける」という開発の根本は変わりません。AIは、「ソースコードを素早く書いてくれる」「技術的な深い調査に付き合ってくれる」「人間の意思決定を様々な面で手助けしてくれる」といった、あくまでフォローの存在です。

 ただ実際の現場では、その通りにならないこともあります。たとえばAIの成果物を担当者がそのままレビュアーや上司に提出して、チェックする側の時間が取られて、かえって負担が増えるとか(笑)。こういったことは実はどこの現場でも起きがちで、うちでも起きています。

 でも、トヨクモのエンジニアには、AIに頼りきるのではなく「主体的に動く」「成果物に責任を持つ」「一気通貫して開発できるようになる」ことを目指してほしい。それを手助けするようなものがAI、という状態であってほしいんです。

 だから、このあたりを解決するための開発のワークフローを作りました。Claudeプラグインとして、開発の各工程に対応する段階的なスキルを用意したんです。ソースコードの隅々まで理解しなくても、AIが作ったものが何をやっているのかは自分で把握できる、そういうスキルも入れています。

 例えば、第一段階目は「要件、仕様、制限を詰める」作業をサポートするものです。PM兼CTO木下さんからお客様の課題に基づいた改訂案が渡される時点で、「どんな機能を作るか」はほぼ固まっています。ただ、その先の細かい仕様や制限までは決め切っていないことが多い。ここはエンジニアが自分で詰めていく必要があるんですが、慣れていないと抜けが出やすいところです。

 そこをAIが「上限やクォータはありますか?」と質問して、「分間○○件まで」と答えていく。そうやって一つずつ埋めていくと、実装に入れる状態まで仕様が固まる、といったものです。


▼プラグインの段階的スキル

2.AI活用の実際と、意思決定の体制

―AIが補助してくれるとはいえ、テックリードとして実際の開発にはどこまで関わっているのでしょうか?

 AIだけに任せているわけではありません。実際の開発の流れは下図の通りですが、「基本設計」のところは自分がレビューに入っています。

 また、図の「実装」から「PRでの説明」、「レビュー」という流れも、図では一本道に見えますが、実際は何度も行き来しながら修正してもらうこともあります。AIの補助があっても、最後は人と人がコミュニケーションを取って、認識をすり合わせていくことを大切にしています。


▼開発の流れを路線図でたとえたもの


―体制についてお聞きしたいのですが、こういった取り組みは誰がどう決めているのですか?

 起点になるのはCTO木下さんのこともあれば、同じテックリードの江口さん、または自分という場合もありますね。自分が「これよさそうだからチームに展開してもいいですか?」って言って、CTOが「いいよ」みたいにサラッと展開されるのがおおまかな流れです。

 こういったやりとりは随時発生していて、昔は定例会があったんですけど、今は気づいたら手を上げてディスカッション、という感じです。

 他のメンバーから上がってきた提案を自分が巻き取って進めることもありますし、逆にその人の成長を考えて、チームへの展開まで本人に任せることもあります。

3.テックリードから見た「1人1機能」体制の実際とは?

―トヨクモでは「1人が1機能(※)をやりきる」という体制をとっていますね。テックリードの視点から、この体制になっている理由は何だと思いますか?

※1製品の中の1機能のこと。

 もちろん、複数人でやれば早く終わるんですが、少人数制なのでリソース的に1人でやることが多いんですね(笑)。と同時に、トヨクモで求められる働き方として「作ってデプロイして、お客さんに届けるところまで一気通貫」というのが求められているので、「だったら1人でやりきればいいじゃん」という感じで、自然とそうなっています。

 なので、はじめから「1人でやりきれる方法」を選択しています。例えば、丸ごと刷新を避け、少しずつ変えていき、一定期間が過ぎたらいつの間にか刷新されている、ということが多いです。

 「1人で1機能をやりきる」ということは、課題に対して「UIの問題なのか」「パフォーマンスの問題なのか」「設計方針の問題なのか」といった複数の観点から1人で考え、対応できる人がトヨクモでは求められているということです。様々な方面から考えられる人が向いていると思います。

―様々な方面から考えられる人。その実現のために、何かしていることはありますか?

 月1回、開発組織全体での振り返りをやっていて、その中でチームごとに達成した内容や、展開できるナレッジの共有をしてもらっているんです。完全に自走力まかせではなく、後押しとしてこういう会を設けています。これ以外でも、普段の業務の中でも共有はやっていますね。

 あとは、「監視」ではなく「興味」としてSlackを巡回していて(笑)、「あれ、これなんかダメじゃないか?」って思ったらすぐ口を出すようにしています。多角的に解決できる人たちを求めるだけでなく、テックリードとしてもそんな感じで動いています。

4.シンプルであり続けるために ~「使いやすさ」から逆算する~

―テックリードとして、大切にしていることは何でしょうか?

 大切にしているのは、「開発を複雑にさせすぎないこと」です。「利用者が使いやすいこと」が前提なので、複雑すぎる機能はトヨクモでは基本的に作りません。ただ、この目線は経験でしか身につかない部分もあるので、入ったばかりの方ともすり合わせるようにしています。

 技術の選び方も同じで、「流行っているから」という理由では採用しません。AI活用のように、今後明らかに世の中の主流・標準になるものや、チームにフィットして仕組みとして展開しやすいものを選ぶようにしています。奇抜な方法や、「手動で何か追加の作業をしないとパソコンに入らない」といったものはなるべく避けます。オンボーディングの流れの中で自然に展開されるのが理想です。難しすぎるものも浸透しないので避けています。

 これは「リスクを取らない」ということもありますが、ミスや手戻りが出る可能性といった無駄を避けたい、ということです。

 とはいえ、技術情報は日々アップデートされますから、この判断基準でい続けることはできないとも思ってるんですけどね。

―最後に、これからの展望を教えてください。

 正直、AIの進歩が速すぎて、自分自身も「これが正解」と言い切れないことは多いです。ただ、「最終的に意思決定して責任を持つのは人間だ」という軸だけはぶらさないようにしていれば、チームとしてはAIの進化を怖がらずに進んでいけると思っています。

―ありがとうございました!



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【最後に】

トヨクモ技術広報から
自分の限界を決めずに挑戦したい方へ

今回は、テックリードエンジニアのリアルな開発姿勢についてお届けしました。

オープンな組織と確かな技術をベースに「自らプロダクトの価値を作る!」

それが私たちの目指すエンジニアリングです。

次回は、北川さんのお話にもあった「丸ごと刷新を避け、少しずつ変えていく」、地道で緻密な開発に取り組むエンジニアへバトンを繋ぎます。

どうぞお楽しみに!


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「すべての人を非効率な仕事から解放する」という弊社のミッションに共感し、ともに挑戦していただける方からのご応募を心よりお待ちしております。

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引き続きトヨクモをよろしくお願いいたします!


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